SNSで拡散される「猫が在来種を捕った!」写真――放し飼いを見直す価値観アップデートと室内飼いのすすめ【ネコは外来種】

こんにちは、あにたろです。
この記事は、かつて実験動物技術者を目指し動物愛護の道を志した立場から――外来種問題や生態系の保全、生命倫理について少しだけ詳しい僕が、ChatGPTの力も借りつつ情報を整理し、まとめた記事です。
ネコの放し飼いはもう「普通」じゃない?🐾
――かわいさの陰で起きている生態系への影響と、社会の価値観がひっくり返った25年を総ざらい!
1 この記事のキーワード🌟
- **室内飼いが“新しい常識”**になるまでの歴史
- 外来種問題が数字と法律で可視化された経緯
- いまも“昔の感覚”で獲物写真を上げる人がいるワケ
- ネコ好きが今日から実践できる📌4つの行動
2 25年で何が起きた?ざっくり年表📅
年 | 動き | ネコをめぐる社会の反応 |
---|---|---|
1990年代まで | 放し飼い・半外飼いが主流 | 「自由に歩くネコは当たり前」 |
1992年 | リオ地球サミットで生物多様性条約採択 | “生態系を守る”が行政キーワードに |
2000年頃 | 地域猫活動が各地で拡大 | 去勢・避妊+屋外管理へ意識シフト |
2002年 | 一般紙で「侵略的外来種」が初登場、イエネコも例示 | ネコの捕食問題が市民の目に |
2005年 | 外来生物法施行 | 「外来種対策は義務」が定着 |
2010年 | COP10名古屋開催、生物多様性が大きな話題 | “在来種保護”が一気に浸透 |
2015年 | 外来種被害防止行動計画を国が公表 | 自治体・学校で対策が標準化 |
2020年 | 内閣府調査で「外来種を知る」61% | 放し飼いは批判対象に |
コラム
沖縄でハブ退治目的に放たれたマングースは、その後99%以上が駆除されました。「放せば便利」の発想が時代遅れになった決定的な教訓です。ネコも同じ轍を踏まないようにしたいですね。
3 価値観がひっくり返った3つの理由🔍
- 科学データのインパクト
- 米国の研究では飼いネコ・ノネコが 年間13〜40億羽もの鳥類を捕食(Loss et al., 2013)。数字で危機感が共有されました。
- 法と教育のアップデート
- 外来生物法(2005)→行動計画(2015)→教科書掲載へ。
- 子ども世代は「室内飼いが当たり前」で育つように。
- SNSの“可視化”効果
- 獲物写真はウケやすいが、同時に即炎上。
- 行動が丸見えになることで、社会の空気が一気に変わりました。
4 平成初期と令和の感覚ギャップ
視点 | 平成初期 | 令和 |
---|---|---|
飼い主の意識 | 「ネコは外でのびのび」 | 「事故・病気・生態系を守るため室内飼い」 |
周囲の反応 | 批判ほぼゼロ | 「放し飼い=迷惑・危険」が共通認識 |
SNS | 無関係 | 投稿すれば即賛否が可視化 |
昔の感覚を残したまま“狩り写真”をアップするのは、ノスタルジーと「昔は責められなかった」記憶が原因。でも社会全体の前提が変わった今、理解はできても容認は難しい――これが令和のリアルです。言うなれば「昔は不倫が文化で楽しかったなぁ」とか「女は男の一歩後ろを歩け、関白宣言読んで来い」とか。昔は大丈夫でも今SNSに投稿したら炎上するような旧価値観だと私は思います。
しかし、世論や価値観は新しく発見された事実によって時代ごとに変容するので、当時愛猫を誇りに思った気持ちまでは批判されるべきでないかなと思ったりします。
「猫の誇らしい写真が欲しい」に返信された画像をAIでリライトしたもの。8000RTを超え多くの人から支持と批判を受けていた。

しばらく寝たきりだったのに突然起き出してベランダで鳥を獲ったときの猫です。死ぬ10日前でした。
5 ネコ好きが今日からできる4つのこと🐈⬛✨
- 完全室内飼い🏠
- UC Davis調査では室内ネコの平均寿命15〜17年、屋外は2〜5年。10年以上の差は大きい!
- 首輪ベル🔔&窓辺おもちゃ🪟
- ベルやカラーで鳥類捕食が約40〜50%減という実証データ。(外に出さないのが一番。地域猫には推奨したい。)
- #室内飼い推奨📝を添えて投稿
- かわいいだけでなく、配慮もシェア。啓発が次の常識を作ります。
- 地域のTNR・譲渡会🤝に参加
- 野良化・繁殖を抑え、ネコの福祉と生態系保護を両立。
6 まとめ🌍🌱🐾
「かわいいから外に出す」は、もはや過去の文化。
- 科学の裏付け:放し飼いは鳥類や小動物に深刻な打撃。
- 法律と教育:外来種対策は“義務”として明文化。
- SNSの拡散力:行動が瞬時に評価される時代。
かつて益獣と信じ放ったマングースを、後に駆除せざるを得なくなった歴史が示すように、倫理観は常にアップデートされます。
ネコを守ることは、ネコの周りすべてを守ること。
放し飼いをやめる。その選択が、次の25年の“新しい普通”を作ります。
7 どうぶつ奇想天外の見解
2007年当時放映されていたもの。猫の放し飼いは当たり前の時代だったと分かる資料でありつつ、動画概要欄の以下の説明文をぜひ読んで欲しい。
これは2007年の記録映像です。 現在では、イエネコは外に出さないのが原則になっています。
その理由として、まず、健康リスクがあげられます。野外で生活する過程で、ひとにも感染し得る病原体=「人獣共通感染症」を保有するリスクが指摘されています。特に近年では、マダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)の感染拡大が問題になっています。これは、感染したネコのおよそ7割が死亡し、人間にも感染して高い死亡率(20〜30%)を示す新興感染症です。日本では外来種のアライグマをはじめ様々な野生動物が病原体保菌者(リザーバー)となっており、野生化したネコは様々なルートでこれらの感染症に感染するリスクがあります。
また、もう一つの理由として、ネコのハンターとしての高い能力が、自然生態系に対して悪影響を及ぼすことがあげられます。放送した2007年当時は、沖縄本島のやんばる地域、西表島、奄美大島、小笠原諸島など島嶼における固有希少種に対するノネコ(野生化したネコ)の悪影響が問題になっていましたが、普通の田舎では一般的に飼い猫と野良猫の境が曖昧な状態でした。
しかし現在では、地域を問わず、飼い猫は外に出さない、そして野良猫の数を減らしていく、ということが人間とネコの持続的な共生を図る上で重要とされます。 この動画にはネコの野生としての生態や狩猟能力が良く捉えられており、『記録映像』として観ていただきたく、公開しています。
🔖 最後までお読みいただき、ありがとうございました!