社会人枠の基礎

公務員の経験者採用は併願しやすい。全国67自治体の試験日程を調べてわかったこと

経験者採用の併願方法|67自治体の試験日程
あにたろ

「公務員 経験者採用 併願」で調べているということは、複数の自治体を同時に受けられるのか、日程がかぶらないか、気になっているのだと思います。

僕は元消防士として15年勤務し、その後、市役所勤務も経験しました。自分自身は併願せず1回で合格しましたが、今回は全国67自治体(47都道府県+主要政令市)の経験者採用(社会人枠)の1次試験日程を1件ずつ調べて集計しました。この記事では、その結果から見えた併願のしやすさと、日程の組み方を整理します。

この記事でわかること

  • 経験者採用が併願しやすいと言われる理由(1次試験の実施方式の実態)
  • 67自治体の日程を集計してわかった、固定日型と期間選択型の割合
  • 1次試験の日がかぶっている自治体の実例
  • 併願の組み方の考え方と、申込締切から逆算する必要性
  • 併願を増やしすぎることのリスク

結論、経験者採用は併願しやすい

先に結論を書きます。経験者採用は、一般枠に比べて併願しやすい試験です。理由は、1次試験に「テストセンター方式」を採用している自治体が多いからです。

テストセンター方式とは、決められた期間内から自分で1日を選んで受けに行く方式のこと。SPI3やSCOAといった、市販の適性検査が使われます。全員が同じ日に一斉に受ける方式とは違い、自分の予定に合わせて受験日を調整できます。

このあと、実際にどれくらいの自治体がこの方式を採っているのか、数字で見ていきましょう。

67自治体の1次試験日程を集計した結果

▶ 対象とする自治体の絞り込み方(年齢と経験年数の条件)は、こちらの記事で集計しています。

公務員の経験者採用、年齢制限は何歳まで?全国67自治体の実データを調べて一覧にした

67自治体のうち、一般行政向けの経験者採用の枠があるのは59自治体でした。このうち、1次試験の日程を確認できたのは57自治体です。

出典:本記事の数字は、僕が集計した独自データに基づいています。各自治体の最新の受験案内(PDFまたはWebページ)を、1件ずつ調べました(2026年7月時点、令和8年度実施分)。

その57自治体の1次試験を、実施方式で分けると次の通りです。

実施方式自治体数
期間内選択型(テストセンター等で自分で日を選べる)37
固定日型(全員が同じ日に受ける)17
書類選考型(1次に筆記試験がなく書類だけ)5

残り2自治体(福井県・静岡市)は、この記事を書いている時点で1次試験の日程が確認できませんでした。

期間内選択型が37自治体。全体の6割を超えています。神戸市・相模原市のように「通年で4タームから選べる」というさらに柔軟な枠もここに含めています。多くの自治体で、1次試験の日を自分の都合に合わせられるというのは、併願を考えるうえで大きな安心材料です。

数え方には、ひとつ注意点があります。「6月21日に筆記、7月中旬に面接」のように、固定日の筆記のあとに別日程が続く自治体があるんですね。この場合は、筆記のほうを固定日として数えています。受験者が身動きを取れないのは、筆記の日だからです。

かぶるのはどこか、固定日型の実例

とはいえ、固定日型の自治体同士は、当然日程がかぶる可能性があります。今回の集計で見つかった一番大きな重なりを紹介します。

2026年6月21日の1次試験日には、次の6自治体が集中していました。

  • 仙台市(筆記試験)
  • 山形県
  • 高知県
  • 長崎県
  • 広島県
  • 北九州市(筆記試験)

出典:各自治体の受験案内(2026年7月時点、令和8年度実施分)

この6自治体を、固定日型どうしで併願することはできません。試験日が同じなので、どちらか1つを選ぶ必要があります。一方で、この6自治体と期間内選択型の自治体を組み合わせるなら、日程がかぶらない限り併願できる可能性があります。

もうひとつ、見落とすと痛い重なりがあるんですね。

2026年9月6日は、特別区(東京23区)と茨城県の1次試験日が同じです。

特別区は経験者採用のなかでも受験者が多い枠です。ここを本命に考えている人が、なんとなく茨城県も、と併願先に足すことはできません。関東で探すなら、この2つは最初から二択だと思っておくほうが安全ですね。

出典:各自治体の受験案内(2026年7月時点、令和8年度実施分)

これらの具体的な日付は令和8年度(2026年度)の実績です。年度によって変わるので、実際に併願を考える際は最新の受験案内で確認してください。大切なのは「固定日型どうしはかぶりやすい」という考え方のほうです。

併願の組み方、本命の固定日を軸にする

ここまでの数字を踏まえると、併願の組み方の考え方はシンプルです。

  1. 本命の自治体を1つ決める。固定日型でも期間内選択型でも構いません
  2. 本命が固定日型なら、その日をまず動かせない予定として押さえる
  3. 残りの候補を、本命の日程とかぶらない期間内選択型から選んでいく。期間内選択型は自分で日をずらせるので、本命との重複を避けやすいです
  4. 候補どうしの試験日も、念のため重ねて確認する。固定日型を2つ以上組み合わせる場合は特に注意が必要です

軸を先に決めてから周りを埋めていくと、あとから日程のかぶりに気づいて慌てることが減ります。

申込締切は試験日よりずっと早い

併願で見落としやすいのが、申込締切のタイミングです。1次試験の日がかぶっていなくても、申込の締切はそれより何週間も、時には1カ月以上前に設定されています。

例えば山形県は、申込締切が試験日のおよそ1カ月前でした。熊本県は、申込締切から期間内選択型の受験可能期間が始まるまでが、およそ2週間という日程でした。

出典:各自治体の受験案内(2026年7月時点、令和8年度実施分)

つまり「試験日がかぶっていないから大丈夫」と安心していると、片方の申込締切をうっかり過ぎてしまうことがあります。併願を組むときは、試験日だけでなく申込締切の順番で予定を並べ、締切が早いものから準備を進めてください。

やりすぎ注意、数を増やすほど対策は薄くなる

併願しやすいと聞くと、できるだけ多く申し込みたくなるかもしれません。ですが、数を増やすほど、1つ1つの対策にかけられる時間は減ります。

論文や面接は、自治体ごとに志望動機も求められる人物像も違うものです。使い回しの対策では、面接官にすぐ見抜かれてしまいます。

僕自身は併願せず1つの自治体に絞って準備しましたが、それが誰にでも正解というわけではありません。今の仕事を続けながら準備できる時間を考えたうえで、無理のない数に絞ることをおすすめします。目安としては、本命1つと、日程が重ならない範囲でのすべり止め1〜2つ程度から検討してみてください。

併願できる組み合わせを、まとめて確認する

67自治体分の申込締切と試験日を、自分で1つずつ突き合わせるのはかなり大変な作業です。そこで、受けられる枠を申込締切の早い順に並べ、試験日がかぶる組み合わせを警告してくれるツールを作りました。

併願プランナーでは、本命の自治体を選ぶと、試験日がかぶる枠に印がつきます。申込締切の早い順に並んでいるので、そのまま準備の優先順位としても使えます。

併願プランナーを使ってみる(無料・全国67自治体)

おわりに

経験者採用は、期間内選択型の試験が多い分、一般枠に比べると併願を組みやすい試験です。ただし固定日型どうしはかぶることがあり、申込締切は試験日よりずっと早く来ます。

まずは本命の自治体の日程を1つ押さえて、そこから重ならない候補を足していく。それだけで、併願の計画はぐっと立てやすくなるはずです。

あなたが本命にしている自治体、申込締切はもう確認できていますか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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