経験者採用の1次試験、6割はテストセンター方式。49自治体を調べてわかったこと

公務員の経験者採用の1次試験は6割がテストセンター方式であることを示す記事のアイキャッチ
あにたろ

「公務員 経験者採用 試験内容」で調べているということは、1次試験がどんな形式なのか、まだイメージが掴めていないのだと思います。

公務員試験というと、日曜日に会場へ行って、一斉に筆記試験を受けるイメージを持っている人が多いんじゃないでしょうか。僕自身、そのイメージのまま社会人枠を調べ始めて、実態とのズレに驚きました。

僕は元消防士として15年勤務し、その後、市役所勤務も経験しています。今回は、令和8年度で受験枠が確定していて、1次試験の情報を確認できた49自治体分の受験案内を、1次試験の方式という切り口で1件ずつ調べて集計しました。この記事では、その実データをもとに「1次試験にはどんな方式があるのか」を整理します。

この記事でわかること

  • 経験者採用の1次試験、方式ごとの内訳(49自治体を集計した実データ)
  • 6割超はテストセンター方式で、受験日を自分で選べること
  • 固定日に筆記試験を実施する自治体の例
  • 1次に筆記そのものがない自治体が3つあること
  • 方式ごとに、対策の始め方が変わること

6割はテストセンター方式。受験日を自分で選べる

令和8年度で受験枠が確定していて、1次試験の情報を確認できた49自治体を対象に、1次試験の方式を集計しました。

内訳は次の通りです。

  • テストセンター等(受験日を選べる):31自治体
  • 固定日の筆記など:13自治体
  • 書類選考のみ:3自治体
  • 確認できず:2自治体

出典:本記事の数字は、僕が集計した独自データに基づいています。各自治体の最新の受験案内(PDFまたはWebページ)を、1件ずつ確認しました。対象は2026年7月時点、令和8年度で受験枠が確定していて、1次試験の情報を確認できた49自治体分です。

いちばん多いのは、テストセンター方式(募集期間のなかから、受験者自身が日時と会場を選んで、パソコンで受ける試験方式)で31自治体でした。49自治体のうち6割を超えています。

つまり、経験者採用を受ける人の半数以上は、「決められた1日に、指定された会場へ行く」形式では受験していないことになります。

代表的な自治体を挙げると、北海道、青森県、福島県、栃木県、群馬県、千葉県、富山県、京都市、熊本市、鹿児島県などです。このうち北海道・青森県・群馬県・千葉県・京都市・鹿児島県はSPI3(エスピーアイスリー。民間企業の採用でも広く使われている適性検査)、富山県はSCOA(エスコア。SPI3より出題範囲がやや広い基礎能力検査)を使っていました。

たとえば北海道は、募集期間のなかからSPI3-Gテストセンターで受験者が選択する1日、という形式です。富山県は、SCOAを使ったテストセンター方式でした。試験の名称や実施期間は自治体ごとに違うので、志望先の受験案内で必ず確認してください。

SPI3・SCOAそれぞれの中身と、市販本を使った対策の進め方は、別記事にまとめています。

公務員試験のSPI3対策で、出題内容と対策の進め方を見る

公務員試験のSCOA対策で、SPI3との違いを見る

テストセンター方式は、募集期間さえ確認しておけば、複数の自治体を掛け持ちしやすいという特徴もあります。併願を考えている人は、日程が重ならないか早めに確認しておくと安心です。

併願プランナーで、試験日のかぶりと締切を確認する

固定日の筆記で実施する自治体

一方で、昔ながらの「決まった1日に、会場で一斉に受ける」方式を続けている自治体も13あります。

代表例を挙げると、山形県、茨城県、仙台市、千葉市、川崎市、神戸市、北九州市、高知県、広島県、岡山県などです。

山形県は2026年6月21日、茨城県は2026年9月6日に、それぞれ1次試験を実施します。高知県は2026年6月21日午前9時30分から、高知市・東京都・大阪府の3会場で実施される予定です。

仙台市も同じ2026年6月21日に第一次試験(筆記)を実施し、面接や適性検査は別日程で組まれています。北九州市は、第1次筆記試験と第1次口述試験を、それぞれ別の日程で実施する形式でした。

神戸市のように、通年で複数回の募集タームを設けている自治体もあります。この場合、応募するタームによって試験日が変わるので、募集要項の該当タームをよく確認してください。

なお広島県(6月21日)と岡山県(7月18日)は、職務能力試験に加えて論文なども同じ日に実施する形式でした。

固定日型は、テストセンター方式と違って日時を選べません。その日に有給休暇や仕事の調整がつくかどうか、早めに確認しておく必要があります。

1次に筆記がない自治体もある

さらに、1次試験に筆記そのものがない自治体も3つありました。いずれも書類選考のみで1次の合否が決まります。

書類選考のみ(3自治体)

  • 埼玉県:第1次は書類審査。エントリーシートを受付期間内に提出する形式です
  • 新潟県:第1次(書類審査)。受付期間内にエントリーシートを事前提出する形式です
  • 佐賀県:第1次試験=書類選考。試験日そのものの設定がありません

この3自治体には、いわゆる筆記試験の日程がありません。ただし、これは「対策がいらない」という意味ではないので、注意してください。

エントリーシートや職務経歴書の作り込みには、それなりの準備時間が必要です。書類の内容そのものが、1次試験の評価対象になっています。

「筆記がない=楽」ではなく、「準備するものが違う」と捉えておくのが実態に近いと思います。

方式別、対策の始め方

ここまでの内容を踏まえて、方式ごとの対策の始め方を整理します。

テストセンター方式(SPI3・SCOAが中心)の自治体を志望する場合

市販の対策本を使って、出題パターンに慣れておくのが基本です。SPI3・SCOAそれぞれの中身と対策の進め方は、こちらの記事で詳しくまとめています。

公務員試験のSPI3対策

公務員試験のSCOA対策

固定日の筆記を実施する自治体を志望する場合

教養試験(憲法・政治経済・数的処理など、公務員試験で広く問われる分野)の対策が中心になります。出題範囲が広いので、テストセンター方式より早めに準備を始めておくと安心です。

書類選考・論文提出が中心の自治体を志望する場合

筆記の暗記量より、エントリーシートや職務経歴書、論文の完成度が問われます。これまでの職務経験を、どう言葉にして伝えるか、早めに整理しておきましょう。

志望先がどの方式にあたるかで、準備の中身も、始めるタイミングも変わります。まずは自分の志望先が、どの方式にあたるかを確認するところから始めてみてください。

この集計の前提

この記事の数字は、令和8年度(2026年度)の経験者採用で、受験枠が確定していて、1次試験の情報を確認できた49自治体を対象にしています。各自治体が公開している公式の受験案内をもとに、僕が1件ずつ確認して集計しました。

このうち2自治体(福井県、静岡市)は、1次試験の方式を確認できませんでした。受験案内に記載が見当たらなかっただけで、方式そのものが存在しないという意味ではありません。志望する場合は、公式の受験案内で直接確認してください。

年度が変わると、試験方式が見直されることもあります。来年度以降に受験を考えている方は、必ずその年度の受験案内で最新の情報を確認してください。

おわりに

「公務員試験は日曜日に会場で一斉筆記」というイメージは、経験者採用ではもう古いのかもしれません。

49自治体のうち、6割超はテストセンター方式で、受験日を自分で選べます。1次に筆記そのものがない自治体も、3つありました。

まずは自分の志望先が、どの方式にあたるか確認するところから始めてみてください。

あなたの志望先は、テストセンター方式と固定日型、どちらでしたか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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