経験者採用の「5年」が最多。でも3年で受けられる自治体も5つある|59自治体を調べてわかったこと

あにたろ

「公務員 経験者採用 職歴 何年」で調べているということは、自分の経験年数で受けられるのか、気になっているのだと思います。

経験者採用(社会人枠。民間企業などでの職務経験を条件にした採用枠のことです)は、「5年の実務経験が必要」というイメージを持っている人が多いと思います。実際にそれで応募をあきらめかけている方もいるのではないでしょうか。

僕は元消防士として15年勤務し、その後、市役所勤務も経験しました。今回は、令和8年度で受験枠が確定している59自治体分の受験案内を、必要な職務経験年数という切り口で1件ずつ調べて集計しました。この記事では、その実データをもとに「何年あれば受けられるのか」を見ていきます。

そもそも経験者採用(社会人枠)がどんな制度かを先に知りたい方は、公務員の社会人枠(経験者採用)とは?で解説しています。

この記事でわかること

  • 経験者採用に必要な職務経験年数の分布(59自治体を集計した実データ)
  • いちばんの標準は5年だが、それがすべてではないこと
  • 3年の職務経験で受けられる自治体が5つあること
  • 東京都のように、学歴によって必要な年数が変わる自治体があること
  • 年数の記載を確認できなかった自治体の、正しい受け止め方

いちばん多いのは5年。ただし全部ではない

令和8年度で受験枠が確定している59自治体を対象に、必要な職務経験年数を集計しました。枠そのものが無い自治体や、この記事を書いている時点で受験案内が公表されていない自治体は、対象から外しています。

集計すると、必要な職務経験年数の分布は次のようになりました。

必要な職務経験年数自治体数
3年5
4年3
5年32
6年2
7年2
記載を確認できなかったもの15

出典:本記事の数字は、僕が集計した独自データに基づいています。各自治体の最新の受験案内(PDFまたはWebページ)を、1件ずつ確認しました(2026年7月時点、令和8年度で受験枠が確定している59自治体分)。

いちばん多いのは5年で、32自治体でした。59自治体全体で見ると54%、年数の記載があった44自治体だけで見ると73%にあたります。「5年」は、事実上の標準と言っていい数字です。

ただ、それがすべてではありません。年数がわかっている44自治体のうち、5年以外は12自治体あります。内訳は3年が5、4年が3、6年が2、7年が2です。5年に届いていないからといって、選択肢がゼロになるわけではないということです。

3年で受けられる自治体もある

分布のいちばん下、3年の職務経験で受けられる自治体が5つあります。愛知県、北海道、新潟県、相模原市、岡山市です。

自治体必要な職務経験年数年齢条件
愛知県3年61歳まで(下限指定なし)
北海道3年22〜62歳
新潟県3年61歳まで(下限指定なし)
相模原市3年31〜49歳
岡山市3年26〜61歳

年齢の条件は、自治体によってかなり違います。相模原市のように上限と下限の両方が決まっている自治体もあれば、愛知県や新潟県のように下限が指定されていない自治体もあります。年齢の条件だけをまとめて知りたい方は、公務員の経験者採用、年齢制限は何歳まで?で詳しく整理しています。

経験がまだ5年に届いていなくても、これらの自治体なら応募できる可能性があります。5年という数字だけを見て選択肢を閉じてしまうのは、少しもったいないと思います。

東京都は学歴で必要年数が変わる

東京都のキャリア活用採用選考は、学歴によって必要な職務経験年数が変わる、珍しいパターンです。

学歴必要な職務経験年数
大学院卒5年
大学卒7年
短大卒9年
高校卒11年

学歴が上がるほど、必要な年数は短くなる仕組みになっています。同じ東京都の枠でも、大学院卒と高校卒とでは必要な年数が6年も違います。自分の学歴に当てはめて、必要な年数を確認してください。

こうした学歴別の条件は、東京都以外の自治体ではほとんど見かけませんでした。志望先が東京都の場合は、この学歴による違いを見落とさないようにしたいところです。

年数の記載を確認できなかった自治体について

今回の集計では、59自治体のうち15自治体で、必要な職務経験年数の記載を確認できませんでした。

ここは誤解しないでほしいのですが、この15自治体は「職歴不問」というわけではありません。受験案内に年齢の条件しか書かれていない自治体もあれば、単にこちらで記載を確認しきれていない自治体もあります。年齢要件のみの可能性もありますが、必ず公式の受験案内でご確認ください。

この15自治体のうち、職歴不問だとはっきり言えるのは神奈川県だけです。神奈川県の受験案内には「職務経験は不問(年齢要件のみ)」と明記されています。

神奈川県以外の14自治体については、年数の記載が無いと決めつけず、志望する前に公式の受験案内で職歴の条件欄を必ず確認してください。

確認するときの注意点

ここまでの数字を、自分の状況に当てはめるときに気をつけてほしい点が3つあります。

1つ目は、経験年数の数え方です。通算で数えるのか直近の勤務先だけで数えるのか、正社員の経験に限るのかなど、条件は自治体ごとに違います。今回のデータには、この数え方の詳細までは含めていません。志望先の受験案内で、必ず本文を確認してください。

2つ目は、年度による変更です。この記事は令和8年度の受験案内をもとにしています。来年度以降に受験を考えている場合、必要な年数の条件が見直されていることもあります。

3つ目は、試験区分による違いです。同じ自治体でも、事務系と技術系で条件が違うことがあります。事務系以外の区分を検討している場合は、その区分の受験案内を個別に確認してください。

自分の年齢と職務経験の年数で、対象になりそうな自治体をまとめて確認したい方は、受けられる自治体診断を使ってみてください。年齢と職歴を入れると、対象になりそうな枠を一覧できます。

おわりに

必要な職務経験年数は、59自治体のうち32自治体が5年でした。たしかに、いちばん多い数字です。

でも、それがすべてではありません。3年で受けられる自治体が5つありますし、東京都のように学歴で年数が変わる自治体もあります。

「5年ないから無理」で終わらせず、まずは自分の経験年数で受けられる自治体があるか、確認してみてください。

あなたの職務経験、いま何年になりましたか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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