経験者採用の1次試験、半数以上は受験日を選べる。62自治体を調べてわかったこと
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「公務員 経験者採用 試験内容」で調べているなら、1次試験がどんな形式なのか、まだ見えていない段階だと思います。
公務員試験というと、日曜日に会場へ行って、一斉に筆記試験を受けるイメージを持っている人が多いんじゃないでしょうか。僕自身、そのイメージのまま社会人枠を調べ始めて、実態とのズレに驚きました。
僕は元消防士として15年勤務し、その後、市役所勤務も経験しています。今回は、収録している67自治体のうち、一般行政・事務の枠がある62自治体分の受験案内を、1次試験の受け方という切り口で1件ずつ調べて集計しました。除いた5自治体は、一般行政・事務の経験者採用区分そのものがない自治体です。その実データをもとに、「1次試験はどう受けることになるのか」を整理していきます。
集計の結果だけ
- 62自治体のうち33は、受験者が自分で日時と会場を選べる期間内選択型でした
- 受験日を動かせない自治体は22。うち17が全員共通の固定日です
- 1次に試験日そのものがない自治体も5つ。書類か論文の提出だけで合否が決まります
半数以上は、受験日を自分で選べる
一般行政・事務の枠がある62自治体を対象に、1次試験の受け方を集計しました。
内訳は次の通りです。
- 期間内選択型(受験日を自分で選べる):33自治体
- 受験日を動かせない(固定日を含む):22自治体
- 1次に会場へ行く試験日がない:5自治体
- 1次試験日を確認できず:2自治体
出典:本記事の数字は、僕が集計した独自データに基づいています。各自治体の最新の受験案内(PDFまたはWebページ)を、1件ずつ確認しました。対象は2026年8月時点、収録している67自治体のうち、一般行政・事務の枠がある62自治体分です。
いちばん多いのは、期間内選択型(募集期間のなかから、受験者自身が日時と会場を選ぶ方式)で33自治体でした。日程がわかった60自治体のうち、半分以上がこの型です。相模原市と神戸市の通年4ターム制も、ここに含めています。
つまり、経験者採用を実施している自治体の半数以上が、「決められた1日に、指定された会場へ集める」形式をやめていることになります。
代表的な自治体を挙げると、北海道、青森県、福島県、栃木県、群馬県、千葉県、富山県、京都市、熊本市などです。このうち北海道・青森県・群馬県・千葉県・京都市はSPI3(エスピーアイスリー。民間企業の採用でも広く使われている適性検査)、富山県はSCOA(エスコア。SPI3より出題範囲がやや広い基礎能力検査)を使っていました。
たとえば北海道は、募集期間のなかからSPI3-Gテストセンターで受験者が選択する1日、という形式です。富山県は、SCOAを使ったテストセンター方式でした。試験の名称や実施期間は自治体ごとに違うので、志望先の受験案内で必ず確認してください。
SPI3・SCOAそれぞれの中身と、市販本を使った対策の進め方は、別記事にまとめています。
▶ 公務員試験のSPI3対策で、出題内容と対策の進め方を見る
▶ 公務員試験のSCOA対策で、SPI3との違いを見る
テストセンター方式は、募集期間さえ押さえておけば、複数の自治体を掛け持ちしやすいのも強みです。併願を考えている人は、日程が重ならないか早めに確認しておくと安心です。
▶ 併願プランナーで、試験日のかぶりと締切を確認する
固定日の筆記で実施する自治体
一方で、受験者が動かせない日がある自治体も22あります。うち17は全員共通の固定日、5は適性検査だけ自分で選べて論文や面接が指定日というパターンです。
代表例を挙げると、特別区(東京23区)、愛知県、大阪市、山形県、茨城県、仙台市、さいたま市、千葉市、川崎市、北九州市、高知県、広島県、岡山県などです。
山形県は2026年6月21日に1次試験を実施済みで、茨城県は2026年9月6日に実施します。高知県は2026年6月21日午前9時30分から、高知市・東京都・大阪府の3会場で実施されました(令和8年度は実施済み)。
仙台市も同じ2026年6月21日に第一次試験(筆記)を実施し、面接や適性検査は別日程で組まれています。北九州市は、第1次筆記試験と第1次口述試験を、それぞれ別の日程で実施する形式でした。
神戸市のように、通年で複数回の募集タームを設けている自治体もあります。この場合、応募するタームによって試験日が変わるので、募集要項の該当タームをよく確認してください。
なお広島県(6月21日)と岡山県(7月18日)は、職務能力試験に加えて論文なども同じ日に実施する形式でした。
固定日型は、テストセンター方式と違って日時を選べません。その日に有給休暇や仕事の調整がつくかどうか。ここは早めに確かめておいてください。
1次に筆記がない自治体もある
さらに、1次試験に試験日そのものがない自治体も5つありました。いずれも書類か論文の提出だけで、1次の合否が決まります。
1次に試験日そのものがない(5自治体)
- 埼玉県:第1次は書類審査。エントリーシートを受付期間内に提出する形式です
- 新潟県:第1次(書類審査)。受付期間内にエントリーシートを事前提出する形式です
- 佐賀県:第1次試験=書類選考。試験日そのものの設定がありません
- 香川県:第1次選考は書類と適性検査(ウェブ方式)。会場に集まる筆記はありません
- 神奈川県:第1次は経験小論文の提出。集合形式の筆記はありません
この5自治体には、1次の段階で会場へ行く日がありません。ただし、これは「対策がいらない」という意味ではないので、注意してください。
エントリーシートや職務経歴書の作り込みには、それなりの準備時間が必要です。書類の内容そのものが、1次試験の評価対象になっています。
「筆記がない=楽」ではなく、「準備するものが違う」と捉えておくのが実態に近いと思います。
方式別、対策の始め方
方式が違えば、対策の始め方も違います。ここからは、その整理です。
テストセンター方式(SPI3・SCOAが中心)の自治体を志望する場合
市販の対策本を使って、出題パターンに慣れておくのが基本です。SPI3・SCOAそれぞれの中身と対策の進め方は、こちらの記事で詳しくまとめています。
固定日の筆記を実施する自治体を志望する場合
教養試験(憲法・政治経済・数的処理など、公務員試験で広く問われる分野)の対策が中心になります。出題範囲が広いぶん、テストセンター方式より早めに手をつけておきたいところです。
書類選考・論文提出が中心の自治体を志望する場合
筆記の暗記量より、エントリーシートや職務経歴書、論文の完成度が問われます。これまでの職務経験を、どう言葉にして伝えるか、早めに整理しておきましょう。
志望先がどの方式にあたるかで、準備の中身も、始めるタイミングも変わります。まずは、そこの確認からです。
この集計の前提
この記事の数字は、令和8年度(2026年度)の経験者採用で、一般行政・事務の枠がある62自治体を対象にしています。収録している67自治体のうち、一般行政・事務の経験者採用区分がない岩手県・宮城県・静岡県・京都府・沖縄県の5自治体を除きました。各自治体が公開している公式の受験案内をもとに、僕が1件ずつ確認して集計しました。
このうち3自治体(名古屋市、福井県、静岡市)は、1次試験の日程を確認できませんでした。名古屋市は令和8年度の選考案内がまだ公表されていないためです。福井県と静岡市は、受験案内に日程の記載が見当たりませんでした。試験そのものが存在しないという意味ではありません。志望する場合は、公式の受験案内で直接確認してください。
年度が変わると、試験方式が見直されることもあります。来年度以降に受験を考えている方は、必ずその年度の受験案内で最新の情報を確認してください。
おわりに
「公務員試験は日曜日に会場で一斉筆記」というイメージは、経験者採用ではもう古いのかもしれません。
62自治体のうち、半数以上は受験日を自分で選べます。1次に試験日そのものがない自治体も、5つありました。
まずは自分の志望先が、どの方式にあたるか確認するところから始めてみてください。
あなたの志望先は、テストセンター方式と固定日型、どちらでしたか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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