公務員試験のSPI3対策|社会人枠で増えている理由と市販本での進め方
「公務員試験なのに、SPI3を受けてください」。社会人枠の募集要項を見て、驚いた人もいるんじゃないでしょうか。
僕は元消防士として15年働き、その後市役所勤務も経験しました。対策のなかで、市販のSPI3対策本を実際に使ったことがあります。
この記事では、公務員試験でSPI3を課す自治体が増えている背景、SPI3の中身、市販本を使った対策の進め方を整理します。
この記事でわかること
- 公務員試験でSPI3を課す自治体が増えている理由
- SPI3とはどんな試験か、教養試験と何が違うか
- 公務員試験のSPI3で問われること
- 市販本を使った対策の進め方
- 働きながらの現実的なペース配分
- SPI3を実施している自治体の例
結論:SPI3は、教養試験より負担が軽くなりやすい
社会人枠・経験者採用で、SPI3を課す自治体は年々増えています。
理由のひとつは、専門知識の暗記量が少なくて済むからです。SPI3は言語・非言語という基礎的な処理能力を測る試験で、公務員試験の教養試験のように、憲法や政治経済といった知識分野を広く暗記する必要がありません。
働きながら対策するなら、この違いはかなり大きいです。覚える範囲が絞られる分、対策にかけられる時間が限られていても、ある程度は間に合わせやすくなります。
SPI3とは何か
SPI3は、もともと民間企業の採用選考で広く使われている適性検査です。リクルートグループが提供しており、新卒・中途を問わず、多くの企業の選考で使われています。
構成は大きく2つです。
- 能力検査:言語分野(語彙・読解など、国語的な力を測る)と非言語分野(数的処理・論理的思考力を測る)
- 性格検査:仕事への取り組み方や、対人関係の傾向などを選択式で答える検査
多くの自治体では、実施方式に「テストセンター方式」を採用しています。これは、指定された期間のなかで、受験者自身が日時を選んで、全国各地のテストセンター(会場のパソコン)で受ける仕組みです。自宅のパソコンで受けられる「自宅受験型」を選べる自治体も一部にあります。
公務員試験のSPI3で問われること
公務員試験では、SPI3の「能力検査」部分だけを使うケースが中心です。性格検査も実施はされますが、合否には直接影響しないと案内している自治体もあります。たとえば大阪府の試験案内には、性格検査は合否に影響しない旨が明記されています。
出題の中心は、言語分野と非言語分野です。公務員試験の教養試験に比べると、知識を覚えているかどうかより、その場で情報を処理するスピードと正確さを測る問題が多い、という違いがあります。
論文試験や個別面接など、SPI3以外の試験が別途課される自治体がほとんどです。SPI3だけで合否が決まるわけではない、という点は押さえておいてください。
市販本での対策の進め方
僕自身、社会人枠の対策として市販のSPI3対策本を使いました。ここからは、そのときに意識していたポイントを紹介します。
1冊を繰り返し解く
SPI3は出題のパターンがある程度決まっています。何冊も参考書に手を広げるより、1冊を繰り返し解いて、解法を体に染み込ませるほうが効率的です。
非言語分野に時間を多めに割く
非言語(数的処理・論理的思考)は、対策の有無で差がつきやすい分野だと感じました。計算のスピードや、図表を読み取る練習は、繰り返しで確実に伸びていきます。
時間配分の感覚を早めに掴む
SPI3は1問あたりにかけられる時間が短めです。参考書の問題を解くときも、最初から時間を計る習慣をつけておくと、本番でのペース配分に迷いにくくなります。
働きながらの現実的な進め方
まとまった時間が取りづらい社会人には、次のような進め方が現実的だと思います。
- 通勤時間や休憩中に、1問単位で解く:SPI3は1問が短時間で完結するので、スキマ時間との相性がいい分野です
- 1冊を3周する計画にする:1周目は全体を通して解き方に慣れる、2周目は間違えた問題だけ復習する、3周目は時間を計って本番形式で解く
- テストセンター方式の柔軟さを活かす:受験期間内で自分の都合のいい日を選べる自治体が多いので、対策の進み具合を見ながら予約日を調整できます
働きながらの勉強時間の作り方については、別の記事でも詳しく整理しています。あわせて読んでみてください。
▶ 関連記事:働きながら公務員に受かるための勉強時間の作り方|必要な時間の目安と平日・休日の配分
当日の注意
テストセンターで受験する場合、会場ごとに電卓の使用可否や持ち物のルールが決まっています。事前に案内をよく確認しておいてください。
顔写真付きの本人確認書類が必要になるケースがほとんどです。忘れると受験できないので、前日までに準備しておきましょう。
制限時間はタイトです。わからない問題に時間をかけすぎず、解ける問題から確実に進める判断力も、対策のうちだと考えてください。
SPI3を実施している自治体の例
自作の「受けられる自治体診断」ツールで集めたデータから、募集要項に「SPI3」と明記されていた自治体を紹介します。2026年7月時点、社会人枠・経験者採用の一部区分です。
| 自治体 | 区分の例 |
|---|---|
| 北海道 | 職務経験者〈一般行政C〉 |
| 青森県 | 社会人枠(夏期)行政 |
| 秋田県 | 大学卒業程度試験・職務経験者枠 行政 |
| 東京都 | キャリア活用採用選考 |
| 群馬県 | 社会人経験者 行政事務 |
| 茨城県 | 社会人経験者採用 事務 |
| 千葉県※ | 民間企業等職務経験者区分・一般行政 |
| 相模原市 | 民間企業等経験者採用【通年枠】行政 |
| 石川県 | 職務経験者(秋)行政 |
| 山梨県 | 民間企業等職務経験者 行政 |
| 長野県 | 社会人経験者 行政 |
| 新潟市 | 民間企業等職務経験者 一般行政 |
| 京都市 | 経験者 一般事務職(行政) |
| 堺市 | 社会人(事務) |
| 神戸市 | 経験者通年枠 総合事務 |
| 奈良県 | 社会人採用試験(行政分野) |
| 三重県※ | 民間企業等職務経験者試験(行政) |
| 兵庫県※ | 事務系職種(経験者)採用試験 |
| 広島市 | 職務経験者対象(春実施枠)行政事務 |
| 島根県 | 社会人キャリア採用試験 行政 |
| 大阪府 | 社会人等 行政 |
| 大阪市 | 事務行政(26〜34歳枠) |
| 横浜市 | 社会人採用試験 |
| 札幌市 | 社会人経験者の部 |
| 福岡市 | 社会人経験者 |
| 長崎県 | 社会人経験者(一般/U・Iターン)行政 |
| 熊本県 | 民間企業等経験者対象(上期)行政 |
| 鹿児島県 | 職務経験者対象採用試験(行政) |
※千葉県・三重県・兵庫県は、令和7年度の実績に基づく情報です。令和8年度の詳細は、各自治体の最新の受験案内で確認してください。
この一覧はあくまで一部です。年度によって試験方式が変わることもあるので、志望先が決まったら、必ず最新の募集要項を確認してください。自分が受けられる自治体を幅広く調べたい場合は、受けられる自治体診断もあわせて活用してみてください。
よくある質問
Q. SPI3対策は、公務員試験専用の参考書を使うべきですか?
市販の一般的なSPI3対策本で対応できます。公務員試験向けをうたった専用書もありますが、中身は同じSPI3なので、使い慣れた1冊を繰り返すほうが大事です。
Q. 性格検査の対策も必要ですか?
多くの自治体で性格検査は合否に直接影響しないと案内されています。ただし念のため、募集要項の記載は確認しておいてください。
Q. SPI3だけ対策すれば合格できますか?
SPI3以外に論文試験や面接があるケースがほとんどです。SPI3はあくまで最初の関門のひとつと考えてください。
Q. どのくらい前から対策を始めればいいですか?
教養試験に比べると必要な時間は短めですが、非言語分野は慣れに時間がかかる人もいます。試験の1〜2ヶ月前には始めておくと安心です。
おわりに
「公務員試験でSPI3」と聞くと戸惑うかもしれませんが、対策の負担という意味では、むしろ働きながらの受験者に向いている試験だと感じています。
1冊を繰り返し、スキマ時間を積み重ねる。それだけで、十分に対応できる範囲です。
あなたの志望先は、SPI3を課すタイプでしょうか。まずは募集要項で確認するところから始めてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。